2011/12/17

DreamWaver 作成リソース

やっとまとまってきたので、DreamWaver v 0.1 のハードウエア、ソフトウエアの情報を公開しておきます。


 Google Codeにソースコードなどをまとめておきました。


既にDreamWaverという名称が使用されていたので、やむなく"dream-waver"というプロジェクト名になりました。


回路は、トランジスタアレイによる単純なパルス発生器です。Arduino を使って最初にやる例題程度のものなので特に難しい点はありません(私はアマチュアですのであらぬ間違いをしている可能性があります。錯誤等ございましたら、忌憚なくご指摘ください)




Arduino MEGA のピン2〜13を使って、12チャンネル構成にしています。
L1〜L12は、DreamWaver の振動部の自作アクチュエータのコイルです。直流抵抗が約120Ωのハンドメイドのパーツになります。
LEDを各チャンネルにつけてありますが、これは、プログラム作成時の確認用です。さすがに水をぱしゃぱしゃやりながらプログラムの開発/テストはしたくないので、手持ちのLEDと抵抗をつけました(実はこれ30年くらい前にまとめ買いした年代物のLEDと抵抗です。当時はLEDはとても高級品でいた。しかし半導体って長持ちだわ。抵抗は念のためテスターで値を確認して経年劣化がないか確かめました)。
リセットスイッチはなくてもいいんですが、何か起こったときのエマージェンシー用に取り付けました。これも年代物のSWを使いました。


部品(振動部を除く)

  • TD62038AGP 2個
  • LED 12個
  • 抵抗1kΩ 12個
  • タクトSW 1個
  • DCコネクタ 1個
  • Arduino MEGA 用のユニバーサル基盤
  • 普通のユニバーサル基盤
  • ピンヘッド
  • ピンコネクタ
  • ケーブル類
  • コネクタ類


この中で一番高価な部品は Arduino MEGA 用のユニバーサル基盤です。お高いです。
意外にコストがかさむのがコードやコネクタ類です。チャンネル数を多くしたいので、それに比例してコストがかかってきます。コードは近所の電気屋でジャンクとして売られていたAVケーブルを使いましたが、いろいろ問題がありました。安物買いのなんとやらという結果になってしまいました。やはりちゃんとしたケーブルやコネクタを使うべきです!




ハードウエアの最初の構想では、DAコンバータによって生成した滑らかな波形を使って、水波を発生させるつもりでした。しかし、いろいろ実験してみると、必ずしも与えた波形信号通りに水が動いてくれる訳ではなく、特に波の周期を大きくした場合、全然波立たないというような現象が観察されました。どうもサインカーブなどを正確に水面に発生させるのは難しそうです。ということで、DAコンバータ、PWM等による滑らかな波形をあきらめて、いっそのことパルスを発生させる時間間隔を制御する方式のほうが問題がわかりやすくなるだろうと考えました。そうなってくるといろいろ単純に考えられるようになり、回路も単純、振動部の構成も単純化できました。


ハードウエアについては、現状で最も満足いかない点は、電源です。
ArduionoとDreamWaverシールドにそれぞれACアダプタから給電しています。振動部の消費電力がかなりあるので、そうせざるを得ませんでした。現状でDreamWaverシールドおよび振動部の瞬間的な最大消費電力は15W程度にはなっています。これだけの電力をまかなえる電池がなかなか見当たりません。やむなく、ポータブル化をあきらめました。






波の周期だけをコントロールすることに決めたので、ソフトウエアも単純化されています。もっといろいろな実験をするためには、波の周期を設定するだけでは不十分なので、この点は改善すべきだと考えています。


スラーダーで12chある振動部の周期を独立に変更できるようにしています。また、レコーディングの機能があるので、一度やった操作を何回でも繰り返し試すことができるのが面白い機能だと思います。


振動部の自作アクチュエータについては、項を改めて。
とりあえず LED を光らせるところまでは、作成していただけると思います。





2011/12/14

DreamWaver at Tokyo Hacker Space

12/13 、Tokyo Hacker Space のOpen meetingにゲストとしてお招きいただき、DreamWaverをデモする機会をいただきました。思っていたより、たくさんの方にお集まりいただき、ちょっと緊張しました。たくさんの有益なご意見をいただきました。
Tokyo Hacker Space は、白金台の閑静な住宅街にあります。


怪しげな英語ですが、プレゼン資料を公開しておきます。DreamWaver
MTM07の時と同様、振動部2個でのデモンストレーションとなりました。




MTM07には間に合わなかった DreamWaver の新しい振動部のビデオもちょっとだけお見せしました。構造はインドアプレーンに使われるアクチュエータに倣っていますが、大きな電流を流せるように放熱のため外径8mmのアルミパイプにコイルを巻いています。最初の振動部よりも可動範囲が広くなっているのが特徴です。


最後に、Tokyo Hacker Spaceにお招きいたありがとうございました。特に諸々手配いただいた John Helwig さん、本当にありがとう。

2011/12/07

DreamWaver at Make: Tokyo Meeting 07

12/3-4、東京工業大学で開催された Make: Tokyo Meeting 07 に DreamWaver を出展しました。
ブースにお立ち寄りいただいた皆様、ありがとうございました。




MTMには初出展だったので、ドキドキものの出展となりました。
初日の準備中に、ソフトウエアの不具合で(と後から判明)振動部を壊してしまい、生き残った2つの振動部での展示となりました。












この映像は自分で撮影したものですが、来場下さった方がすばらしい映像を残してくださったので、紹介したいと思います。さんによる高速度撮影です。






他の展示も見たかったのですが、初めての展示ということもあり、勝手がわからず、自分の展示場近くを少しのぞく程度しかできませんでした。後から知った興味深い展示や知り合いのブースにも行けない有様でした。
次回は、もうちょっと計画的にいこうと思います。



2011/11/08

Google Developer Day 2011 ADK Open Callに出展しました

Google Developer Day 2011 ADK Open CallにてFinalist に選出され、DreamWaverという装置を展示しました。応募の際Googleに提出した文書を公開しておきます。
DreamWaver ーさざ波によせて


背景として、海上技術安全研究所深海水槽の波を生成する機能があげられます。これをなんとか、手軽に手元でできないかなと常々思案していたのでした。大抵学校で波の勉強をするときには、教科書の図を見るばかりで、実際に波を作って観察する機会はほとんどありません。小さなスペースで簡単に実験できたら、面白いと思います。

グローブの指先に振動部を取り付けて、波紋を作りたいというのは、水面を指でつついて波紋を作る能力を拡張したいという単純な欲求です。実際やってみるとわかると思いますが、1Hz程度の波紋を連続的に作るのでも数分も続けることができません。それ以上の周波数のものは、多分かなり訓練しないと不可能です。それができていれば、ピアニストにでもなれているはずです。ということで任意の周波数の波紋を作る機能を指先に取り付けてしまおうという訳です。指先に取り付けて移動させたり、複数の指を使ったりして、いろいろな波紋の形を自由に観察できると思います。
来場者の方から、「ジョジョの波紋なんじゃないか」というネタフリをちらほらいただきましたが、その通りです。オーグメンテーションってこういうことだと思います。





画像の左側がArduinoにDreamWaverのシールドを装着したもの、右がNexus S上のDreamWaverアプリです。シールドの回路構成は提案書とはかなり違って、トランジスタアレイによる単なるON/OFF回路です。Arduinoのスケッチ内でパルス幅とインターバルを管理しています。Nesus Sからは、波紋の周期情報としてインターバルの値を渡しています。スライダーでチャンネルごとに周波数をかえることができるようになっていて、同時に操作情報を記録して、後でプレーバックできるようになっています。複数台のDreamWaverがあれば、データを交換たりして、波紋の情報を共有できることになるでしょう。


Type1のケースが間に合わなかったので、水の入ったボールに振動部を直づけしてデモしました。照明が明るすぎたので、波紋がよく見えなかったようです。


問題の振動部ですが、結局自作のアクチュエーターに落ち着きました。軽量で指先に装着して違和感のないように、入手可能な素材で作成しました。0.8g前後の重量になります(しかしこれは、多くの部分が基盤とコネクタの重量です)。これを作るために制作期間のほとんどの時間を費やしました。これで学んだことは、「水は非常に重い。水の表面張力はかなり大きい」ということです。光や電子、空気を操るのは非常に少ないエネルギーですみますが、水を思い通りに操るのはかなり難しいと思われます。
現状の自作アクチュエーターは、なんとか眼で見てわかる程度の波紋を生成できるだけですが、よりよいものに改善していきたいと思っています。

現在のDreamWaver が目指していないものとして、
1)楽器や音楽を変換する装置
2)インテリア
3)データグローブの類
があげられます。1も2もおそらく、派生的に応用できるでしょうが、どちらもいろいろな先行事例があり、2に至っては、水槽にエアポンプで泡を作った方が効果的だと思われます。3は多分ワイヤードされたグローブがあったので入力装置だと思われたのかもしれません。右手にデータグローブ、左手にDreamWaverという体裁でパフォーマンスすれば、受けるかもしれませんが、ただそれだけです。そこから先がないように思います。DreamWaverは、あくまでも、制御された波紋の情報を記録して、再現可能にすることに主眼を置いています。

GDDでの展示は、コイル巻きで力つきていたのと、会場が明るくて、効果的に見せることができなかったので、紹介ビデオを作ってみました。



展示してみて、いろいろ改良すべき点も見えてきたので、Make: Tokyo Meeting にむけて、改良していきたいと思います。



ご来場の皆様、ありがとうございました。

追記)

グローブの造形は、渡邊亜珠美さんにお願いしました。連絡先は
Rumix Design Studio 商品部 造形担当 渡邊亜珠美 azumi.watanabe666@gmail.com
電話03-3876-7651

です。グローブなどの制作物をお考えの方は、どうぞご連絡ください。